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地上35階建てのマンションの最上階に住む‥男、駿賀多貴は寝苦しい夜に目覚めてシャワーを浴びて汗を流した。
その時奥からもう一人若い男が扉の隙間から顔を覗かせて居る。
もう一人の住人の‥香取京介である。
「多貴さん眠れないんですか?」
「あぁ京介か‥こう蒸し暑いと眠れんなぁ」
京介は気を利かせて手に缶ビールを持ち一つを多貴へ渡した。
「気が利くじゃないか‥サンキュー!」
「俺も実は眠れなくて‥エアコン効きませんね。熱帯夜だから仕方ないですけど」
「今年の夏は猛暑で日中の温度が下がり切らない内に夜を迎えるからな‥地面の熱が夜になると這い上がってくるのさ」
「あぁなる程ね‥ここ最上階でも風が無いのも頷けますよ!」
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