予感

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首を巡らせて京介は必死に何やらカタカタ打ち込んでマウスを忙しなく動かし画面を睨みつけた。 「どうした?ウィルス拾ったか?」 「多貴さん‥何処からか不正アクセスの痕跡が‥データはハードディスクに落としてありますよね?」 「あぁその辺の抜かりは無くやってるぞ?」 「ハードの一部やられてますよ‥」 「何!?」 「余り必要なデータでは無いですが‥ゴミ箱の中身が空です」 「まさか‥」 「今夜はこのまま画面を落として明日調べますよ。ハッキングするなんざ‥俺の目が黒い内は許しませんよ!?」 「その‥何だ済まん余計な手間を」 「え?やだなぁ多貴さん勘違いですよ。俺はただプライベートなディスクの一部を盗む奴が許せないだけです‥次は気を付けて下さい」 画面をパタリと閉じるといつの間にか飲み終えた空き缶を握り潰した状態で立ち上がる。 「明日寝坊しないで下さいよ?俺もう寝ます‥」 「あぁおやすみ京介‥」 彼が部屋から出た後多貴は、ばつが悪そうにパソコンのボディーを撫でて言う。 「今夜は機嫌悪いみたいだな内の姫様は‥」 冗談吐きながら眠りに就いた。
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