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無言で家に帰り、親父が帰っていないことを確認して、足音をドンドンとならしながら、肩を揺らして廊下を歩いていく。不良に憧れる時期でもあるんだよな。
ギシギシ、ギシギシ
床板が歪む音が響く。おかんは不在か?なら、遠慮なく叩ける。
僕の部屋の前の壁に握りこぶしを叩いていく。いつかへこむ。いや、へこませてみせる。
ドンドン、ドンドン・・・
いつものように拳が限界をむかえるまで叩きつけていた時だった。
「ヘイ、ユー」
おかんが出てきた。キャップを後ろ向きにして被りオレンジの大きめのTシャツを着てダボついているズボンを履いて、大きめなサングラスをつけている。
「おかん?」
「叩けよ、アーイ!!」
どうした?おかん!!
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