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6月半ば、いつも通り階段を上る君の背中を見つけて距離を測る。
いつものタイミングで駆け出して踊り場で追い抜くと、いつもの様に君は
「おはよッ」
笑顔でそう声をかけてくれる。
単純だけど、そのたった一言で俺の一日は輝くんだ。
「はよ」
一瞬だけ振り向く。そして俺はそのまま駆け抜けて教室に飛び込む。
「はぁー…」
ため息を吐き机に突っ伏すダサい俺。
本当は君と並んで歩きたいのに…。
毎朝意味も無く急いでるフリしてバカみたいだ。
情けないよな、意識した途端に上手く話せなくなった。
話せない。君とだけ…。
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