プレゼント

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プレゼント

そして、画面は移り変わり。 * * * ダッダッダッダッタ………… 『ん……何か、抱かれながら走ってる……?』 「誰か!!! 助けてーーー!!!」 「コイツら! 王妃様を守れー!!!」 王妃様を守る為に、兵士が傷だらけで戦っていた。 「さっさと死ね!!!」 「グハッ……クソ……」 「王妃様と王子には、指一本触れさせない!」 『……皆んな必死に戦っているけど! 僕って、王子なの……?  しかも、この白い髪の綺麗な人が母親? 僕の茶色い髪は、父親似なのかなぁ……? (しかも、王様!?) まぁ、日本人だから黒とか茶色いの方が馴染みはあるけど…… せっかくなら金髪とか白髪でも良かったとも思うよ。神様…… 最後に聞いた神様のセリフ……プレゼント! あれって……もしかして、この事だよね!? 僕が裕福な家庭の猫に生まれ変わりたいって言ったから……でも、王子様……王族って! ちょっと、やり過ぎでしょう! だから、転生して速攻でピンチになってるんでしょ。 あの神様、マジで! 勘弁してくれよ。』 「きゃぁぁぁーーー!!!」 そんな事を考えているうちに、母親である女性が盗賊であろう者達に切られてしまった。 しかし、女性は倒れながら僕の事を守る様に強く抱きしめた。 『く……苦しい。』 「クソー! よくも王妃様をーー!!!」 兵士達は、ボロボの体で賊に襲いかかる。 「コイツら……しぶとい……グハッ……」 兵士達は、王妃の仇を取る為に玉砕覚悟で斬りかかる。 数十分後…… * * * その場で生きているのは、僕だけとなった。 「…………ぅん……めちゃくちゃ困った。 これから、どうすれば良いのだろう。 分からない世界に、赤ん坊で1人取り残される。」 悲しいと言う感情が湧かないのは、生まれてまも無いからなのか…… それとも、前世の母や家族が居たからなのかは分からない。 しかし、今は悲しむより…… この状況をどうにかしなくては、ならない! それが一番に、来てしまう。 とりあえず、状況を整理しよう。 僕を守ってる兵士や母は死んだが……僕を殺そとする賊もいなくなった。 なので、今すぐ僕が死ぬ事はない……? 「ここは、異世界……モンスターとか居ないよな!? 居たらまともに動けないんだ! 絶対死ぬよ。僕……」 僕は、神様から頂いた創造魔法を試して見る事にした。 「今、1番大事なのは、動ける事…… 動ける様になる魔法を想像する!!!」 『魔法を創造します! 成長魔法を創造しました。』 「よし! うまく行った。」 そして、僕は創造した成長魔法を使い少年へと姿を変えた。 「ふぅ〜。 これで、動ける様になった。が…… 全裸はマズイ!」 僕は急いで、その辺にあった布で体を隠した。 そして…… 「この後は、どうしようかな!?」 すると、何処からか声が聞こえてくる。 「アイツら何処まで行ったんだ!!!」 「コッチに行ったみたいです!」 「急ぐぞ!」 「はい!」 『……マズイな! 賊の仲間なら俺は殺されるぞ!!!』 とりあえず、投げる事にした。 * * * 「……なんて事だ!!! 王妃様ーーー!」 「まだ、微かに息があります!!!」 「急いで城へ運びましょう!!!」 「絶対に、死なせてはならんぞ!!!」 「兵士長! 王子の姿が見当たりません! 「今は、王妃様の命が最優先だ!!! お前達は、私に続け! 残りは、王子の捜索だ!!!」 「はー!!!」 * * * 僕は、森の中を何となく進む…… 「うわっ! 雨が降って来た!!! てか、何で!? 僕は、一人称が【僕】何だ!? 生まれ変わる前は、私だったのに…… 体が若返った。お陰かな?」 などと考えながら…… 「そんな事より! 雨宿りを出来る場所は無いのか!? あ! あれは……」 すると、雨宿りにちょうど良い洞窟を見つけて中へと入って行った。 * * * 洞窟の中に入ると、丸くて液体状の生き物が複数生息していた。 「何だコイツ……!? もしかして、コイツがRPGで一番最初に出てくると言われているモンスターのスライムか? コイツ……襲って来ないよな!?」 分からん!!!  何もかもが分からない異世界……これから、どうすれば良いのかも分からん。 そんな事を考えていると、ある事を思い出した。 「……大賢者! なんか神様がそんな事を言っていた気がする。 分からない時に検索するのは、大事な事! よしッ! 決めた。 大賢者を習得する!!!」 『大賢者を習得しました。』 「これで、分からない事は聞けるようになるな。 なんか安心したらお腹が減ってきたぞ! このスライム食べられるのかな!? 美味しくは無さそうだけど、寒天みたいな見た目はしてるし…… 『食べられません』 「……何の声だ!?  まぁ、仕方ない。 食べられないのなら、食べないけど……どうしよう。お腹減ったなぁ〜 創造魔法で、何か食べ物を出せないかな?」 『自らの体から作成した食べ物は、エネルギーに変えられません!』 「また、変な声がする!? あぁ……これが大賢者の検索機能か。 考えただけで答えてくれるのは、とても助かる。」 しかし、腹を満たす解決策は見つからないし……どうしようかな。 今後も、その事は課題になるし…… 「いっその事、食べなくても良い体になれれば問題ないんだけどなぁ……」 『食事無効を習得しますか?』 「食事無効……便利な能力だ! そんな能力、是非とも欲しい!!!」 『食事無効を習得しました。』 「おお……!!! なんか! お腹の空腹感が無くなった気がする……って!!! おい! 何故!? 僕は倒れている?」 『魔力量が一定値を下回ったので、回復に努めます! その間、体の自由が効かなくなります。』 「何? その状況…… 体……動かせないの? ヤバくなーぃ。 スライム達、襲って来なーぃ……?」 『スライムは、雑食ですが…… 生きた生物は捕食しません』 「なら、安心だね。 いや、死んだと思われたら食べに来るんじゃ……」 『心配いりません。 スライムは、生きた生物は捕食しません』 「……大賢者さんが、そう言うなら心配はないのか。 そしたら、どうしたら魔力を回復できるの?」 『食事をとるか体を休めれば…… いわゆる睡眠を取れば回復できます』 「そうか……なら、体が動く様になるまで眠る事にするよ。」 『分かりました。 スリープモードに移行します!』
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