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それから、ダンジョンの調査は完了した。 「今日は、ありがとうございました。 ネズミ博士も良い調査が出来たと満足しております! ギルドへの報告は、任せますので! 私達は、この辺で失礼します。」 「分かりました。 今日は、ありがとうございました!!!」 そして、冒険者と別れた僕達はダンジョンのボス部屋へと戻ってきた。 「ラク……報告、冒険者達に任せて良かったのか? あいつら、多分……嘘の報告をするぞ。」 「良いんですよ! それで…… 明日の宝箱には、換金するとお金になる物を沢山入れましょう。」 * そうして、次の日も 冒険者達はダンジョンに訪れた。 「今日は、魔剣は手に入らなかったが……お金になる物を沢山手に入れたな!」 「早く帰って、換金しましょう!」 「所で、君達!  この事は、他の人達には他言無用だよ!」 「分かってますよ!」 * * * それから数日…… 「アイツら新人のくせ〜に、最近! 羽振りいいよな……」 「言われてみれば、確かに……」 2人組の冒険者が何気ない会話をしていた。 そこに、ローブを被った1人の男が現れると 「気になるか……!? 噂、程度だが教えてやろうか?」 「何だ!? お前……」 「何か知ってるなら、教えてみろよ!」 「いや、タダって訳にはいかねーな。 金貨1枚……いや、銀貨3枚でどうだ!」 「銀貨3枚…… まぁ、銀貨3枚なら。」 「お前、払うのか?」 「気になるしな。 ほら、銀貨3枚だ! 早く教えろ。」 「そう焦るなよ。 せっかくだ! 俺が奢るから酒でも飲みながら話そうじゃねーか。」 「おおー、気前が良いね。 気に入ったよ!」 「まぁ、嘘か本当か分からない! 話だからな…… 後腐れが無いように、酒でも奢っておくのが1番手っ取り早い!」 「まあ、いい。 それで……」 「実はな……この国の外れにある森の洞窟の事を知ってるか?」 「ああ、何度か行ったことはある。 特に何の変哲もない小さな洞窟だったな……」 「実は、そこがダンジョンだったらしいんだ! しかも、宝箱が無限に湧く。」 「嘘だね! そんなダンジョン存在するはずがない。 俺が行った時は宝箱なんて、湧かなかったぞ!」 「残念! お前、騙されたな!!!」 「実はな、そこにカラクリがあるんだよ! ダンジョンとは、本来! 人間からエネルギーを吸って成長するらしいんだ! だから、沢山の人で洞窟に入ると宝箱が湧くらしい。」 「……だから、アイツらパーティーでもない奴と一緒に行動しているのか?」 「本人達に聞くのが1番なんだが…… まぁ、本当の事は話さないからギルドにでも確認してみたらどうだ!?」 「確かに、ギルドなら何かは知ってるはず……」 「一度、聞いてみるか?」 そして、冒険者達はギルドの受け付けに行き……噂の真意を確かめる事にした。 * 「彼らですか!? 同じパーティーでは無いようですが、詳しい事は分かりませんね。」 「何か接点みたいなものは、無いのか?」 「接点と言われる程の物では無いですが…… 数日前に、ある依頼で国の外れにある洞窟の調査を共に行ったメンバーって事くらいですかね。」 「…………。」 「おい……さっきの話し!!!」 「分かった! 変な事を聞いた。」 「いえ、大丈夫ですが。」 そこへ新たな冒険者が現れた! 彼は、このギルドでも名の通った冒険者であり! 受け付けで騒いでいた為に、何事かと思い話しかけて来たみたいだった。 「何だ!? お前ら……どうした?」 「いや……何でもないです!」 すると、受付嬢が少し説明をすると! 「ガハハハッ……お前達、新人の冒険者が羽振りが良くなったからカラクリが有るのかと思って聞いていたのか。 もっと、頑張れよ! 先輩……」 「ああ……そうだな。」 「分かったから、早く行こうぜ……」 「そう、急ぐなよ! 俺が、お前達に冒険者としての心へってヤツを教えてやるから!」 すると、ローブの男が…… 「ふざけんな!  あの新人達は、国外れにある宝箱が無限に湧く洞窟でアイテムを手に入れてるから羽振りが良いんだ!!! この人達だって、そこに行けば! 同じように……」 「おいッ!!! バカ! お前!!!」 「おい! その話、もっと詳しく聞かせろ!」 「リーダー! そんな馬鹿げた話、信じるんですか? なぁー!!! 皆んなそうだろ。 宝箱が無限に湧くダンジョンなんて、あるわけねーよな!」 すると、沢山の笑い声が響くなか…… 「いや……俺も、あの新人達の羽振りの良さは 少し気になっていたんだ! アイツら、魔剣を持っていたんだ! あんな新人が魔剣など買えるはずがないし。 手に入れるならダンジョンしか無いと思っていた。」 その言葉を聞いて、皆んな静まり返った。 「オメーら! 確かめに行くぞーーー!!!」 「おおーーー!!!」 「クソー!!! 何のために、俺達は銀貨3枚も払ったんだ! あのローブの男!!!」 「銀貨を払ったのは、俺な……」 そして、ギルドに居た冒険者達は皆んな飛び出して行った!!!
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