3人が本棚に入れています
本棚に追加
いわゆる、アフタヌーンティ。
金髪の彼女は、白いレースをあしらった紺のヴェルベットのワンピースを揺らして、すとんと、ぼくとエリクの間に収まった。
ぼくと同じくらいの年だろう。十七か十八。二十歳は越えない。ふたりとも、人懐っこそうな笑顔を向けてくる。
「君たちは……」
「はい」
「きょうだ――」
ぱっかーんっ。
最後まで言わせてもらえず、ぼくの頭がそんな音を立てた。
痛くない? ……痛くない。
……夢、だから……。
「そんなわけない。どこか似ている? 私たち」
「雰囲気が、とても」
それは、長く同じ空気の中で暮らしてきた者たちに特有のものだ。
まだ不満気な彼女の肩に手を伸ばし、椅子に引き戻しながら、彼の方は穏やかに話し出す。
「僕はエリク。この子はティナ。僕たちは、まぁ、管理人って言うか、そんなもんかな」
「うん」
「管理? なにを……」
「君にもそのうちわかると思う。僕たちの口からは、ちょっと言えないんだ。ね、ティナ。僕たち」
「はい」
「ここはいったい?」
「どこでしょう」
最初のコメントを投稿しよう!