楽園の妖精(フェアリー)はただ一人の歌で舞う

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 いわゆる、アフタヌーンティ。  金髪の彼女は、白いレースをあしらった紺のヴェルベットのワンピースを揺らして、すとんと、ぼくとエリクの間に収まった。  ぼくと同じくらいの年だろう。十七か十八。二十歳は越えない。ふたりとも、人懐っこそうな笑顔を向けてくる。 「君たちは……」 「はい」 「きょうだ――」  ぱっかーんっ。  最後まで言わせてもらえず、ぼくの頭がそんな音を立てた。  痛くない? ……痛くない。  ……夢、だから……。 「そんなわけない。どこか似ている? 私たち」 「雰囲気が、とても」  それは、長く同じ空気の中で暮らしてきた者たちに特有のものだ。    まだ不満気な彼女の肩に手を伸ばし、椅子に引き戻しながら、彼の方は穏やかに話し出す。 「僕はエリク。この子はティナ。僕たちは、まぁ、管理人って言うか、そんなもんかな」 「うん」 「管理? なにを……」 「君にもそのうちわかると思う。僕たちの口からは、ちょっと言えないんだ。ね、ティナ。僕たち」 「はい」 「ここはいったい?」 「どこでしょう」
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