2.彼氏の裏切り

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* あー、やっと終わった……。 何事もなく終始和やかな雰囲気でパーティーが終了し、喬木社長や役員の方たちを送り終えた私は、手を大きく上にあげて身体を伸ばしたい衝動に駆られながらも、周りの目を考えてゆっくりと大きく息を吐いた。 これで今日の仕事も終了だ。 パーティーが始まってからはあっという間だったけれど、それにしても今日は長い一日だった。自分ではあまり感じていなかったけれど、朝から相当気を張っていたのだろう。仕事が終わった安堵感からか、急にどっと疲れが押し寄せてくる。 21時か……。 哲也さんはまだいるのかな? 今日は哲也さんもこのパーティーに参加していたので、まだその辺にいるかロビーの中を見渡して探してみたけれど、姿は見当たらないようだ。 もう帰ったのかな? このあと少しだけでも会えたら嬉しいのにな。 ここ数ヶ月はハロウィン、クリスマス、年末年始とイベントが重なることでホテル業が忙しいこともあり、なかなかゆっくりとデートする時間が取れていなかった。 その日の出来事などたわいないメッセージのやりとりはしているものの、その間にデートしたのはほんの数回だけだ。というのも、基本土日が休みである本社勤務の私と、ローテーション制の休みである現場の哲也さんとでは休みの日が違うので、完全週休二日制とはいえ二人のスケジュールを合わせるのも容易ではないのだ。 まだ近くにいるかな? メッセージでも送ってみよっかな。 パーティーで哲也さんの姿を見つけてからは、どうしてもその方向へと視線が動いてしまい、思わず口元が緩みそうになったのを必死に堪えていた。そんなこともあり、会いたい気持ちがどんどん増していく。私は他の人たちの邪魔にならないようロビーの片隅に移動すると、鞄からスマホを取り出しメッセージアプリを開いた。そして哲也さんにメッセージを送ろうとしていたところで、背後から私の名前を呼ぶ声が聞こえてきた。
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