アンネロッテの決意

1/2
3人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ
 最初は、寝ぼけておにいちゃんのベッドに入っただけだった。  おにいちゃんは嫌な顔ひとつしないでそっと抱き寄せてくれて、温かくて幸せだった。  それがちょっぴり嬉しくて、時々おにいちゃんのベッドに入るようになった。その度に、 「おやすみのちゅーは?」  と言うと、 「はいはい」  なんて返事をしながら、おにいちゃんはあたしのおでこに優しくキスしてくれる。あたしがはにかんで笑うと頭を撫でてもう一回してくれる。  おにいちゃんは優しくて、温かくて。でも、ちょっと切ない。  おにいちゃんがメイドさんとオトナの関係だったり、隣の国のお姫様と将来的には結ばれることが決まっていたり。おにいちゃんはこの国の王子様だけど、おにいちゃんなんだ。  でも、そんなの関係ないよね?  あたしのスキは誰にも邪魔させない。
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!