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彼の名前は”琉羽久”というらしい。
彼は話し上手で、聞いてるだけで楽しくて、もっと話を聞いていたいって思ってしまう。
「ルークって本名?」
「違うよっ、俺ねホストやってんの、分かる?ホスト。」
「ううん。知らない」
「そっか、お店で名乗ってる名前が琉羽久」
彼には夢があって、それを叶えるためにホストってのをやってるらしい。
毎日キツくても、夢のためなら頑張れるんだ、と満面の笑みを向けたルークは、ちょっとカッコよかった。
「その夢、私にも応援させてっ、どうしたらいい?お店ってどこ?」
「ちょ、ちょっと。そんなつもりで声掛けたワケじゃないし、夢を話したんじゃないよ?でも、そんな風に言ってくれたのはハナちゃんが初めてだよ」
「でも…」
「その言葉だけで十分、俺は嬉しいからさっ。ねっ?」
ルークは、お店の話しを”友達”とはしたくない、と言って話題を私に振ってきた。
「ハナちゃん何かあったでしょ?」
「え?」
「今日、元気なかったなぁって…俺、結構見てたからさ、分かっちゃうんだよね」
そして「俺で良かったら話して?」と優しい眼差しで私を見つめてくれた。
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