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どうする、って……。
未だに訳の分かってない私に、キョーヤさんが近付いてきて。
「時間切れ。…ハナ、俺の女になってくんねぇ?」
「え、」
「辛い想いや、大変な想いをさせると思う。その分、幸せにする努力は怠んねぇ」
「キョーヤさん…私のこと好きなの?」
「お前、鈍感かっ。この2年で分かんなかったのかよ」
確かに、凄く優しかったし、キョーヤさんらしくない「会いてぇな」なんて言葉も聞いた。
でも”好き”なんて言われてないしっ、分かるわけないじゃん。
「ハナ、好きだ。俺の傍にいろ」
「ウソ…」
「あ?ウソで、こんな小っ恥ずかしいこと言うかよっ」
「…もう、一回聞きたいです」
「あ?」
一瞬だけ顔を顰めてから、とびきり優しい表情をしたキョーヤさんは、私の耳元で「好きだ」そう言ってから。
私にキスをくれた。
【完】
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