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琉羽久
バイトに身が入らない。
今までは結婚資金を貯めるためって、はりきってバイトをしてた。
でも、もう貯める必要もなくなって、何の為に働いてるのかさえ分からない。
いや、自分のためだっていうのは、ちゃんと頭の片隅にあるよ?
でもさモチベーションがさ、違うんだよね。
今日起きた時から、何かチカラが出ないし。
住む場所だってネカフェでもいっか、って思ってるし。
だったらバイトだって掛け持ちする必要もないじゃん。って…。
コンビニだけにするか、居酒屋だけにするか…
「ねぇねぇハナちゃんっ、今日お疲れモードじゃん、どした?」
「いや、別に何も…」
「えぇー、まさかっ」
「な、なに?」
「ゆうべ、カレ激しかったとかぁ?あるよねぇ、うんうん。ウチのカレシもさぁ、嫉妬とかすると激しくなんのぉ。アレ堪らんよねっ」
いや、知らないし。つうか聞いてないし。
「なんつーの?愛されてる。って感じぃー?」
「良かったね」
しかし、なぜ疑問系なんだろう。
彼女はバイト中、カレシさんとのアレコレを、聞いてもない私に沢山教えてくれ、満足してバイトを上がっていった。
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