琉羽久

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コンビニのシフトを終え「お疲れさまでしたー」とチカラなく出た。 「ねぇ、キミっ。ひま?」 出た先には派手な髪色をして、小顔でチョットお洒落目な服を着た男の人がいて。 誰かに話し掛けている。 「えーっ!待ってよ。キミだよキミっ、コンビニで働いてる子っ」 「…私、ですか?」 「そーそー。俺、よくタバコ買ってんだけど覚えてなーい?」 全く記憶に残っておりませんが… こんな時、町の人達の言葉が頭に鳴り響く。 『東京ってとこは、見ず知らずの人間と話したりしないから、知らん人が話し掛けてきたら泥棒か勧誘だと思え』 泥棒には見えないから…もう一つの方だ。 「私、そういうの間に合ってますから!」 「へ?何が?」 「だからっ、壺とか水晶玉とかっ、たーっくさん持ってるし、いらないからっ」 「…プッ、そんなに沢山持ってんの?まさか、その中に入ってるとか?」 「え、…」 どうやら間違ったらしい…間違った上に、私は大嘘つきになってしまった。 『嘘だけは言ったらなんね』そう育てられてきた。 じーちゃん、ばーちゃん。お父ちゃん、お母ちゃん。ごめんなさい、ハナは嘘つきになってしまいました。 もう、ばーちゃんと同じ墓には入れない事が確定してしまったよ。
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