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退院してからは、時々ナギサさんが様子を見に来てくれた。
まだ体は痛むものの、家で大人しくしてる分には、なんとも無いから心苦しくなる。
ただ、たまにナギサさんに変わって、サナさんが来てくれるのだけど。
「ハナちゃん、ビーフシチュー好き？タクマのビーフシチューは絶品なんだよ」
「はい…」
いつも絶品料理と言って、持って来てくれるけど…決まって旦那さんが作った物で、私はサナさんの料理を食べた事がない。
「ヨッシーもさぁ、タクマにガッツリ胃袋掴まれちゃった仲間なのよ」
「吉澤様ですか？」
「そうそう、ランチしに良く来てくれるんだけどね」
吉澤様はサナさんが口添えしてくれて、私を指名してくれるようになり、仕事関係者さんにも私を宣伝してくれた。
旦那さまのお店の常連さんだったんだ。
「はい、温かいうちに召し上がれ」
「いただきます」
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