休暇

18/24
20人が本棚に入れています
本棚に追加
/119ページ
「美味しい」自然に出てしまうほど、本当に絶品で、私の言葉をサナさんは嬉しそうに聞いていた。 「あの、遅くなってしまったんですが、ご出産おめでとうございます」 ケガをする前に買っておいた、出産祝いの品をサナさんに渡すと。 「ご丁寧に、ありがとう。気を使わせちゃったね」 「いえ、私こそ誕生日プレゼントまでいただいちゃって」 「わっ、可愛いー!ハナちゃんってセンスいいのね。早く、これ履かせて公園デビューさせたいな」 「すぐ使えない物で、すみません」 「え?いいのよ。今使う物なんて、すぐ汚れちゃうんだから。上の子達のお下がりで十分。」 サナさんが、そう言った時チャイムが鳴り、私とサナさんは顔を見合わせた。 「誰だろうね?私が出て平気?」 「ナギサさん、ですかね?」 「んー、ナギじゃないはずだけど」 私も立ち上がったけれど、サナさんに止められ、その場に留まった。
/119ページ

最初のコメントを投稿しよう!