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<お引越し・三日目>
「うーん。どうしてまた故障してるんだ?」
「どうしたの? パパ」
「いや、一昨日変えた基盤がうまく働かないんだ……これをこうして……あれ?」
「パパ? 持ってきた基盤って新品じゃなかったっけ?」
「そのはずなんだけど。こっちもなんかエラーが出てるわ……」
「ママの方もそうなのかい?」
「ええ。何かおかしいわね……」
「ホストコンピュータのハード的な問題なのかな?」
「やっぱり、ホストコンピュータを宇宙船のメインと全部入れ替えるべきね。ほら、宇宙船はサブの方でも動くから問題はないし、そもそもそういうつもりだったでしょ」
「ママがリーダーなんだからママが決めたらそうするべきだと思うけど、僕はまず宇宙灯台の中央演算室に行ってみるべきだと思う。ハードの問題がなんなのか確認しておかないと不安だし、船のホストと入れ替えるにしても手順は実地で確かめないと」
「そうね。じゃあ今から行きましょ。二人はここで待って、」
「えー、あたしも行きたい! 宇宙ステーションのホストコンピュータ見たい!!」
「じゃあ、オレも行く」
両親は仕方ないなと笑った。子供たちが好奇心旺盛なのは悪くないことだと思っていたから。
そして今回、その好奇心は子供達を殺さなかった。むしろ、宇宙では本当に珍しいことに、彼らを助けた。
「私を入れ替える?」
「”マザー”を?」
「そんなことは許されない!!」
『許されないっ!!』
「我々をこんなところに閉じ込めるだけではなく、マザーにまで魔手を伸ばすとは!!」
『許されない♪♪』
「奴らの行動を今度こそ阻止するぞ!!」
『そしするぞー!!』
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