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新学期が始まり、進学コースも確定。
理系コースには、桜生、淳弥、美玲、佐久間。
木村と城ヶ崎も。
文系コースには、海人、風織、神木。実里、鏡花、凛がいた。
やっぱり男女比は、こうなるのか。
「海人ー。せめて一回だけでもご飯連れてってくれよ...」
「いや、俺に言われても風織が嫌がってるし...」
放課後、教室を出ようとすると桜生に呼び止められた。
桜生の横で、淳弥はケッケッケッと笑っている。
陰部を晒した桜生の奇行を、今でも尾っぽ引く風織は会いたがらない。
当然の報いで、彼自身が言ってたようにお相子の結果だが、最近は不憫に感じて仕方が無い。
「いいじゃんよ。これでスッパリ諦めが付くもんだろ? 新しい恋を探せよな!」
絶好のイジるネタを見つけた淳弥は、桜生の肩に腕を回して声を上げて笑っている。
「だから最後の晩餐だよ...。バレンタインも貰えなかったしよ...」
「風織は、海人に LOVE。嫉妬が強い桜生は、納得出来ないよなー」
「ちょ、淳弥...」
落ち込む桜生をイジり続ける淳弥を止めようとする。
これ以上イジると爆発しそうで怖い。
まあ風織からは、バレンタインのチョコを図書館で貰った。
それ以外は詩織と久美子だけ。
でも桜生は、誰からも貰えなかったという。
「海人、神木くん待ってるよ」
机に突っ伏す桜生を慰めていると、廊下から風織が声を掛けてきた。
「あっ、直ぐ行く」
返事をしたのも束の間、桜生がガバッと顔を上げた。
「私、先に言ってるね」
風織は桜生に気付くと苦笑いを浮かべて、直ぐに立ち去ってしまった。
「俺もこの後用事あるから...。淳弥任せていい?」
「任せとけ?」
風織に逃げられた桜生は、まるで美玲のように泣き崩れた。
後ろ髪を引かれながらも、淳弥がいるから大丈夫だ、と自分に言い聞かせ教室を出た。
というより、これ以上は面倒になりそう。
「瀬戸内くんと同じクラスになれて良かったよー」
神木に呼ばれた、演劇部の部室。
神木は、海人が文系コースを選んだコトを、心の底から喜んでくれた。
そして演劇部には、予想外の、いやいても不思議ではないが、佐久間の姿があった。
「俺も。男子少なそうだし、佐久間も桜生も皆んな理系に行ったからさ。仲良い友達が一緒だと安心だよ」
海人が言うと、風織が「私もいるのに」と膨れるのを見て、「男子って言ったでしょ」とツッコんだ。
「んで! 結局どうすんの!」
佐久間が海人の肩に勢いよく腕を回して来た。
「佐久間も入部したの?」
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