15.鳴り止まない!

9/10
前へ
/180ページ
次へ
その夜。二十四時五十分。 『【清水吉能のよっぴーはっぴーラジオ】も終わりに近付いて来ましたー。 本当なら今日のラジオを振り返る、感想お便りを読み上げるのですが、一通のメールのみを読ませて頂きます! ラジオネーム『瀬戸内海』さんからのお便りです。 本当は前から何通も頂いていたんですけど、読み上げるか迷って、そのままにしていました。 「以前、過去のイジメがトラウマで人付き合いが億劫になっていた者です。」 覚えてますよー。 気付いたら一軍グループに身を置いて、隠れ蓑のような状態で過ごしていた方ですね。 「あれから結局いじめられました。」 そうなんです。 このお便りを頂いた時は、読むかどうか凄く迷ったんです。 「でもいじめられた原因が、同じくいじめられたクラスメイトを助けたコトが原因でした。 中学生からの親友にも嫉妬からいじめられて、他のクラスメイトからも避けられて、靴を捨てられるわ、弁当ぐちゃぐちゃにされるわ、挙句の果てにプールに放り込まれるわで死にたいと思いました。 正直助けたコトを後悔しました。 でも、改めてイジメを受けて、クラス内を俯瞰して見ると、皆んなイジメられたく無いから、加担や傍観に徹しているコトに気付きました。 それを気付かせてくれたのも友達でした。 陰キャを自称して(まあ陰キャではあるんでしょうけど)それでも、イジメられてる自分に話しかけてくれました。 自分もイジメられるかもしれないのに、いいのかと聞きました。 気にしないって言ってました。 自分は脚本家になりたいから、最悪イジメで不登校になっても、脚本の勉強する時間が増えるだけだからって。 教室という小さな空間で、イジメるイジメられるなんて小さな序列を争っている自分たちより先に行っていると驚きました。 それでも友達を巻き込みたくないから、意地になって突き返していました。 そしたら助けた友達に諭されました。 その子の方が何倍も辛い思いしてるのに、それでも俺が壊れてしまうのが嫌だから、怒ってくれました。 自分もその言葉が糧になって、イジメに執着するコトを辞めるコトが出来ました。 助けた子が学校に来られなくなるまで、行こうって。 その子が不登校になったら、自分も不登校になろ うって。 その瞬間にイジメと不登校がマイナスの言葉では無くなりました。 そうしたら、次第にイジメが無くなりました。 不思議です。 気持ちが変わったら、イジメも無くなるから。 学校に行かなきゃいけない。 イジメられたくない。 色んな事柄に囚われていたせいで、自分の視野を狭めていました。 そして、今ではイジメを乗り越えて、今日その子と付き合うコトが出来ました。 正直この投稿がよっぴーに読んで貰いたい気持ちとそうでない気持ちが錯綜しています(笑) だって、その子もこのラジオを聞いてるから。 でも、このラジオで読み上げたのが分かるのも彼女だけです。 二人だけにしか分からない、二人だけの秘密。 次は自分のやりたいコトを探しています。 教室内の人付き合いに踏ん切りが付いたから、次 は夢を探す番です。 だから夢を見つけられたら、ハガキを送りたいと思います。 それまでよっぴーさんのラジオが続いているコトを祈っています。 長文失礼しました。」
/180ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加