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「あっ」
食堂からこっそりと出た俺は、わんわん書記とお別れして、1人廊下を歩いていた。
わんわん書記の名前、聞くの忘れてた。
大変、どうしよう。俺、この学園の偉そうな人の名前、副会長しか知らない。逆になんで副会長だけ知ってんだろ、不思議〜!
あ、そういえば皆、俺が『この学園』って何回も言ってて、そろそろ学園の名前教えてくんないかな、って思ってるでしょ〜!
実はこの学園の名前は『古野学園』って言うんだよ〜!
え〜?テンション高いってぇ〜?テンション上げてなきゃ、わんわん書記の名前聞くの忘れたショックで泣きそうなんだよ。分かる?分かるよね?分かってくれるよね?
え?面倒くさい彼女みたい?彼女のできない俺に喧嘩の押し売り大セールしてる?俺の現在地、男子校なんだよ。彼女ができないなら彼氏を作れ?それどこの貴腐人マリー・アントワネットだよ。もしくは、好色家マリー・アントワネット。
「かぐや姫みたいに竹にこもりたい」
「うちに竹林あるんだけど、来る〜?」
「ばっびぶべぼー!?!!?!!」
独り言を呟くと、後ろから突然、あのチャラチャラ会計の声が聞こえて、俺は思わず悲鳴(?)を上げてしまった。
いきなり出てくんなよ、俺の心がブレイクハートになっちゃうだろ。というかなったわ。
「あはは、某パンヒーローの悪役の真似?似てないねぇ〜」
「残念、今のはただの悲鳴!そして俺が好きなのは某るんるんだ!」
「某るんるんって語感いいよねぇ〜。ところで君の一人称って僕じゃなかった?」
…一人称?そんな言葉あったかナ?少なくとも、俺の辞書にはないナー。チャラチャラ会計は国語もできないのかナー。
「そ、そんなこともあったかもしれない気がしたりしてますネ〜…」
「君って本当に正直者だねぇ。好きになりそ〜」
わあ、これが本場のチャラ男か〜!さっすが、歌舞伎町出身なだけある〜!今日もチャラチャラしてる〜!うるせぇ〜!というか単純〜!
「ナンパっすか?それ」
「そうそう、興味湧いたから」
「軽いっすね〜」
「よく言われる〜!」
よく言われるのは良いことなのか?チャラ男の考えることはわからん。よし、お前は今日から名誉紳士だ。
ああ、コードでギアスなやつとは違うからな?巨人が進撃してるやつでもないからな?
そういやあの驚いた声、マジもんの素っ頓狂な声だよな。あれ以上の素っ頓狂な声は世界に存在しないと思う。巨人は1話でトラウマになった。あの1話はもう見たくねえ…。
この2つの作品、人の死が多いけどめっちゃいいんだよなぁ。
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