きっと素敵な非凡生活

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「じゃ、帰るよ。ありがとね、ばいばーい」 「また来てね〜!」 俺は大きな扉を閉めた。バターンという音がした。 今の音めっちゃいい!想像通りのいい音してた!うっわ、テンション爆上がりなんですけど! 感動で、その場から動けずにいた俺は、長い廊下に響く足音に、顔を上げた。 そこに立っていたのは、副会長だった。 「何をしているのですか?」 「少し、話があったんです…」 少し微笑みながら含みのあるような言い方をしてみた。さ〜て、どんな勘違いをしてくれるかな。 …でも、今の俺って平凡だから、そこまで効果ないよな。副会長は食堂で馬鹿みたいなことした仲だし。まずなんで俺、含みのあるような言い方したんだ?というか俺、含みのあるような言い方して、こんなとこに居て、めっちゃ不審者みたい。 …よし、こういうときにはあれだよな。 「逃げるが勝ちぃぃぃぃぃぃ!」 「えっ、あ、ちょっ、待ってください!!!!!」 俺は叫びながら走り出した。副会長も走り出した。 そして俺は副会長に言いたい、なんで????????え?なぜ追ってきた????しかも足速いし。 おいこら、こちとら顔以外は全部平々凡々な平凡なんだよ!少しは手加減してくれよ!!! 俺の心の声は副会長に届いていないようで、どんどん俺と副会長の距離が縮んでいく。マジ怖い。 「なぁんで追ってくるんですかぁー!!!」 「貴方が逃げるからでしょう!!」 うえ~ん、ホラーゲームみたいでやだよぅ。怖いよぉ。うえ~ん…、うん?待てよ、よくよく考えたら、変なことして逃げたほうが不審者じゃね?えっ、どうしよ。一旦、止まったほうがいいかな?副会長も、俺が逃げるから追いかけてるって言ってたし。とまるか。 そして俺は、急ブレーキをかけて、見事、後ろに倒れた。 急ブレーキってやっぱ危ないわ。 「うわっ、いきなり倒れないでください!!貴方を踏むところでしたよ!」 「やめてください。死んでしまいます」 危なかった。急ブレーキも危なかったけど、いきなり止まるのも危ない。次からは緩やかに止まりましょう。ちなみに、俺の後頭部は無事だ。カーペットがふっかふっかしてて良かった。まあ、そのおかげでめっちゃ走りづらかったけど。 「ほら、早く起きてください。生徒会室に行きますよ」 「な、なぜ?」 「貴方に聞きたいことが、た っ た 今 、できたので」 「ワ、ワァ!ナニヲ、キカレルンダローナァ!」  こうして俺は、生徒会室に連行された。 うっうっ、ホラーゲームみたいでやだ…。聞かれるって何聞かれんだろ。たった今って言ってたけど、たった今の心当たりが多すぎてわかんないよぉ…。
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