多分平凡な始まり

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男の娘に脳内マウントをとっていたら気づいた、お腹空いた。 「…じゃあね!」 「まって!」 俺が男の娘に背を向けると男の娘に引き止められた。 なんだよ、君の彼氏と密会しているとでも思ったのか?残念だったな、俺は君の彼氏を知らない。まずいるの? 「どこのテーブルも空いてなくて…」 「つまり?」 「相席してくれない?」 男の娘が上目遣いでお願いしてくる。 自分の可愛さをわかっているやつは嫌いじゃない、むしろ愛してる。結婚してくれ。 「いいよー、何人?」 「4人」 「意外といる」 俺たちより人数が多いことに驚きながらテーブルに行く。 不思議なことに男の娘しかいないように見える。なんでだろー、不思議ー、キニナルー(棒) 「遅くなっちゃった。お母さん、ただいま〜」 「遅かったじゃない、こんな時間までなにしてたの!?」 俺がふざけたことを言いながら椅子に座ると、転校生もふざけたことを言いながら何かを注文した。勿論タブレットで。 「おかえり。その人たちは友達?」 爽やかくんが尋ねてくる。その人たち?おかしいな、俺には可愛い男の娘しか見えないな…。 「やっぱり格好いいな正樹(まさき)は」 「やめろよ。…照れるだろ」 「可愛いでもあったか〜」 「なあなあ、俺も撫でたい!」 イチャイチャしている爽やか2と不良的な奴が俺の後ろに居る筈が無い、そうだ、その2人組にかまってちゃんしてる毬藻ヘアーの気配なんて感じてない。 「今、何頼んだの?」 「君へのラブソング?」 「何故に疑問形?」 「ツッコむとこそこ?」 俺と転校生が疑問形会話を繰り広げていると、男の娘とその他少数が座り始めた。 その他少数って他でも使えそう、今度使う予定立てとくか、30年後ぐらいに。 「お待たせ致しました、君と仲直り♡オムライスでございます」 「え、まさかの3人分?」 「量がこんなに多いとは…」 「1つで2人分だからね」 ウェイターさんが持ってきてくれたのはバカップルしか頼まないと言われる『君と仲直り♡キュンキュン思い出オムライス 〜君と摘んだ花びらを添えて〜』だった。 ウェイターさんも略すんだ…、♡の部分を強調したのはどんな理由が…。 「お前ってなんなんだ?」 「間違っちゃいないけど名前って言葉ぐらいつけようか」 目の前に座った毬藻ヘアー瓶底眼鏡が、俺という存在について聞いてきた。 俺が知っているとでも思ったか。残念だったな、俺という存在に1番詳しいのはこの学園の理事長だ。 「僕は天見(あまみ)紘斗(ひろと)。よろしくね」 天ちゃん呼びはなんか違う気がしたから言わないでおいた。天ちゃん呼び2号は誰になるのだろう。 「俺は竜崎(りゅうざき)紺太(こんた)だ!よろしくな!」 うっわ、元気がいい。てか苗字かっこよ、惚れたわ。
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