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俺の後ろに絶対的俺様生徒会長が居るなんて耐えられない。顔面(男)ランキング総合2位とか馬鹿じゃねえの。頭の全てが良いとか、俺を見習って顔以外は平凡に生まれろよ。羨ましいなこの野郎。顔は俺以下だけど。
「それで、転校生とやらは何処に居る」
「「会長、早いよ〜!後輩に配慮!」」
なんてことだ、双子がいる。あの、目が合ったら悪戯してくるという悪魔の双子が…。
悪戯の内容は、全ての教科書をエロ本に替えたり、鞄の中にダンベルを仕込んだり等。だいたいの悪戯は、1位として顔面ランキング本部に行ったときにやられた。あのときのお茶菓子の味は忘れない。
「あれじゃないの〜?」
「人に…あれ、って、言わ…、ない…」
指を差したチャラチャラ会計にわんわん書記が注意する。
チャラ男じゃないのか、わんこではないのか、そう聞かれたら、俺は違うと断言する。
会計はとにかくチャラい。チャラチャラした物をたくさんつけている。だからチャラチャラ会計。
そして書記は何をどう考えてもわんこではない。犬でもない。だけど近しい何かがあるのでわんわん書記。
わかったか。
「おい、お前が転校生か」
絶対的俺様生徒会長、いややっぱ長いな。これからは絶対様って呼ぶね。ところで絶対様、お前が肩を叩いた相手はにっこり笑顔の爽やかくんであって転校生ではないぞ。
さっきまで無表情だったから笑顔が怖いよ爽やかくん。
「いえ、僕は9年前の転校生です」
「そうか、そこのお前はいつの転校生だ」
爽やかくんは9年前の転校生だったらしい。かなり前だ。というか絶対様はなんで全員が転校生だと思っているのだろう、確かに転校生のようなものだが。
しょうがない、生徒会長は絶対様から何様に降格だ。喜べ。もしくは泣き叫べ。勿論、嬉し泣きしか認めない。
こんなことを取り留めなく考えていると、何様から早くしろ光線が飛んできた。
はいはい、言いますよ。言えばいいんでしょ。
「僕は中学卒業直前の転校生です」
「最近だな。次」
「うちは15年前の〜」
「俺と同じぐらいだな。次」
何様に急かされ、しょうがなく言うと、何様は1言言って次にいってしまった。
そんなんだから俺に俺様何様生徒会長様なんて言われるんだよ。詰め込み過ぎて読めなくなった。これも何様が悪い。
「後はお前等だけだが、お前はいつの転校生だ?」
「今日の転校生だ」
「あ、俺も今日転校してきた!」
後はお前等だけってどこの尋問?彼奴らなんかヤったの?俺は学園に来る前に、姉の本棚に絵本を詰め込んだぐらい。本棚のBL同人誌は絵本の間に紛れ込ませた。俺の前でそんなものを読むのが悪い。
そんなことを考えながら何様を見ると、綺麗なその顔に微笑みを浮かべていた。
うっっっっっっわ、何様が微笑むところ見るとか、前世の俺は何したんだ。世界でも滅ぼした?それなら俺の前世は魔王様か。この美しい顔で世界征服でもしたのかな、いや、それなら世界中の人類HAPPYだから違うわ。えー、結局俺の前世ってなんなの?
「…転校生って、2人なのか?」
「私、2人って言いましたよね」
「記憶にないから言ってない」
「そんな横暴会長に育てたつもりはないんですけど」
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