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リュカside
エヴァンは俺のズボンの中に手を入れ、俺の陰茎に触れた。俺はこれを口に出して拒否はせず、足を閉じる。
それに対してエヴァンは碧眼の目でじっと俺を見つめた。その目はまるで嫌いになってもいいのかと俺に聞いてきてるようだった。
「……、っ、…、」
俺は閉じていた足の力を緩めて枕に頭を落とし、そっぽを向いて耐える事にした。
なんでこうなるんだよ、俺は、穏便にって思っただけなのに…
何分かしてエヴァンの手のひらに俺は白濁した。
エヴァンにこれをされるたびに毎回死にたくなる。
疲れたと思いながら身体を起こそうとすればエヴァンは俺の尿道を指でずりずりと擦って、また俺に身体を横にする様にと首元にキスをしながら攻め寄ってくる。
「ちょ、っと…まだや、やるのっ」
「…嫌なの?」
俺はエヴァンのこの雰囲気に弱い。きっとこれは嫌われたくないと言う欲から来てるんだと思う。
「い、いっ、や、じゃ……」
俺がそこまで言いかけると俺たちが入って来た扉の奥から声が聞こえ、扉が開いた。
「おい、話があー……、あ?」
ガロだ。ガロ、ガロだっ……、なんで、このタイミングで来る!タイミングが悪すぎる。ノックぐらいしろとか、お前のせいで襲われてるとか、嫌われそうだとか、言いたい事はたくさんあるがそんな事より俺はエヴァンの表情が気になって顔を見上げた。
さっきよりも、いや、それどころか本当に見た事ない様な顔をしている。
表情が抜け落ちて、抜け落ちてって言うか、俺にはのっぺらぼうに見えた。
エヴァンは俺に毛布をかけると立ち上がった。
「ふぅん、お前らそこまで言ってたんだ?」
にやぁ、とガロは笑って俺を見る。
「要件は?」
「ははっおいリュカぁ」
ガロはエヴァンを無視して俺の元に来ようとした。その瞬間ガロの頬に黒い射線が掠る。
……や、闇魔法…?
それはエヴァンの指から放たれた様にしか見えなかった。闇魔法を光魔法と一緒に保有している人なんて聞いた事がない。
な、なんで、いやてか、ど、ど、どうすれば…
「ご立腹だなぁ?エヴァン」
「要件は?」
エヴァンはそう言って俺に背を向けたままガロと話している。ガロはさぞかし面白いおもちゃを見る様にエヴァンを見て口を開いた。
「俺の護衛が大怪我を負った。新しい護衛はラウルになるそうだ」
ラウルが護衛に……、あの闘い大好きな戦闘狂が?
「それだけ?」
「あとこれ。今までの反逆犯人リスト」
「…どうも」
エヴァンはそれを奪い取る。
「それより部屋に帰らなくていいのか?リュカ」
「ええ。リュカは僕といますから。」
2人の間には、火花が散った…………ような、気がした。
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