笑顔と優しさ

1/1
前へ
/236ページ
次へ

笑顔と優しさ

☆*:.。. ────────────. 。.:*☆ さてさて。 幼稚園に通い始めたすみれが、お遊戯会でシンデレラを演じる事になりました。 ある夜、ベッドの中ですみれは瑠璃に尋ねます。 「おかあさま。シンデレラは、まほうつかいのおかげでしあわせになったの?それとも、おうじさまのおかげ?」 瑠璃は、少し考えてから答えました。 「そうねえ。シンデレラは、自分の力で幸せになったんじゃないかしら?どんな時も笑顔と優しさを忘れず、夢を信じて、諦めずに努力したから、王子様はそんなシンデレラを好きになったの。魔法使いは、ほんのちょっとお手伝いをしただけよ」 「ふうん…。わたしもいつか、おうじさまにあえる?」 「会えるわよ。だって、お母様もお父様に会えたんだから。すみれも、きっといつか素敵な人に巡り会える。だからどんな時も、笑顔と優しさを忘れずにね」 「はい!」 輝く笑顔のすみれは、すでに小さなシンデレラのよう。 魔法使いは、今日も世界の片隅で、そっと静かに願います。 どうか、すべての女の子が、幸せになれますように…と。 (完)
/236ページ

最初のコメントを投稿しよう!

879人が本棚に入れています
本棚に追加