ハッピープロジェクト?

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「お帰りなさーい!」 マンションの玄関を開けた瞬間、小雪が飛びついて来て、山下は思わず後ずさった。 隣の部屋からゴミ袋を持って出て来た奥さんと目が合い、あらあら、ご馳走様と笑われる。 「ど、どうも…」 会釈をすると、山下は急いで玄関に入ってドアを閉める。 「小雪…。頼むからせめてドアが閉まってからにしてくれ。ほら、そこから下りて来ないでいいから」 えー?と口を尖らせながら、小雪は上り框に戻って両手を広げる。 「ここでいいんでしょ?ほらほら」 満面の笑みで、広げた両手をパタパタさせる。 山下は仕方なく、ジワジワと近付いた。 ギリギリ手が届く所まで来ると、小雪はつま先立ちで山下に抱きついた。 「稜さん、お帰りなさーい!」 「ただいま、小雪」 抱きしめて頬にキスをする。 「ちゃんと留守番してたよ」 「そうか、偉い偉い」 なんだか俺が保育士みたいだな、と、小雪の頭をなでながら山下はふっと笑った。
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