第二章 大丈夫の魔法

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 オレは自他ともに認めるばあちゃん子だ。  ハンバーグと同じくらい焼き魚が好きだし、筑前煮やひじき煮といった煮物も大好きだ。自慢じゃないけど、クラスで一番魚を食べるのが上手だし、みんなが嫌いなイワシやサバもオレは好きだ。  テレビ番組も、母ちゃんが欠かさず見ている韓流ドラマや父ちゃんが好きなプロ野球中継よりも、時代劇や二時間サスペンスの方が好きだったりする。テレビのチャンネルをうっかり「回す」と言ってしまって、母ちゃんにも呆れられる始末だ。番組を録画したものを「ビデオ」と言ってしまうのは実も同じだから、これは親の影響か。でも、さすがにハンガーのことを「衣文がけ」とは言わないけど。  だから、オレはばあちゃんがどんどんおかしくなっていくのが怖かった。でも小学四年生のオレは、何をどうしたらいいのかわからない。  物知りの実だったら、何かいい方法を知っているだろうか。オレは実に相談してみようと思った。
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