15年前 初めてだらけのカラオケで

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 ワタシは、カラオケボックスが歌を歌う場所という認識がなかった。  初めてのカラオケボックス。  初めてのキス。  初めてのキス以上。  初めての興奮による鼻血。  初めての恋。  初めての告白。  初めての彼氏。  ワタシにとっては『初めて』の象徴。  それが〝カラオケボックス〟だ。  まずは、その『初めて』だらけの日について語っていこう。  その日のワタシは、かなりヤサグレていた。  発端は『両親との仲互い』だった。  高校進学についてで、揉めていた。  親は進学校に進めというけど、ワタシは大学とか学歴に興味がなかった。  将来なんかより、仲のいい友達と一緒の高校に行きたかった。  いくら訴えかけても、2人の態度は変わらなかった。  両親は二人とも公務員で、公務員か士業(弁護士とか税理士とか、最後に『士』がつく専門家)しか認めないような人達だ。    そんな未来はなんだか暗い気がして、当時のワタシは猛反発した。  でも、なりたい職業なんてなかった。  しかも、将来の夢なんてなかった。
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