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こうして、ワタシ達の長い交際は始まった。
蛇足だけど、この時の彼にはあと二人、恋人が存在していた。
合計3股だ。
今思い返すと、サイテーである。
どっちも。
さて、それからはというと、ワタシは彼のことばっかり考えていた。。
当時、ワタシは中学生3年生で、彼はピカピカの大学生だった。
年上の、しかもイケメンの好青年風。
いたいけなワタシの目には、彼が白馬の王子様のように映っていた。
(この人にだったら、どこへでも連れ去られてもいい)
本気でそう思ってしまうほどに、惚れこんでいた。
だけど現実問題、彼には『どこにでも連れていく』ような経済力はなかった。
カラオケボックスの代金すらも割り勘にするし、隙があればご飯を奢らせようとしてくる。
しかも、奢らせるために「世界で一番愛してるよ」とか歯が浮くような言葉も口にしていた。
相手が年下の――しかも中学生だって、遠慮を知らない。
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