15年前 初めてだらけのカラオケで

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 こうして、ワタシ達の長い交際は始まった。  蛇足だけど、この時の彼にはあと二人(・・・・)、恋人が存在していた。  合計3股だ。    今思い返すと、サイテーである。  どっちも。  さて、それからはというと、ワタシは彼のことばっかり考えていた。。  当時、ワタシは中学生3年生で、彼はピカピカの大学生だった。  年上の、しかもイケメンの好青年風。  いたいけなワタシの目には、彼が白馬の王子様のように映っていた。 (この人にだったら、どこへでも連れ去られてもいい)    本気でそう思ってしまうほどに、惚れこんでいた。   だけど現実問題、彼には『どこにでも連れていく』ような経済力はなかった。  カラオケボックスの代金すらも割り勘にするし、隙があればご飯を奢らせようとしてくる。  しかも、奢らせるために「世界で一番愛してるよ」とか歯が浮くような言葉も口にしていた。  相手が年下の――しかも中学生だって、遠慮を知らない。
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