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それが彼の本性だった。
ダメ男すぎて、全国のダメ男たちに失礼に感じる。
そもそも、何も知らない女子中学生に手を出す時点で、十分片鱗はあった。
それでも当時のワタシは好意を寄せ続けていた。
『恋は盲目』とはよく言ったものだ。
彼に奢ることに幸せすら感じていたのだから。
なんだかんだでうまくいき、付き合って4か月が過ぎた頃。
大きな転機が訪れることになる。
事は、ライブハウスで起きた。
彼はミュージシャンと目指していて、月に一度はライブハウスで演奏していた。
でも、全然パッとしなくて、観客は仲間内の数人だけだった。
もちろん、彼女であるワタシもライブハウスに出向いて、聞いていた。
多分、彼氏が歌っていなかったら3秒で帰っていただろう。
それほどに、彼のリズム感も音程も熱意も、ダメダメだった。
そんな歌を聞いていると、なんとなく思ってしまったのだ。
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