(三)

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「なんなんだよ、ここの住人は……」  松阪はここでも一般的過ぎる感想を漏らさずにはいられないようであった。それは有井にも同じだった。  こんなところにそんなものが隠されているというのであれば、クローゼットの中には一体何が入っているのか。  そんなことを考えながら、有井は何気なくクローゼットを開けた。  クローゼットのドアは、数枚の木の板にそれぞれ蝶番がつけられて、ジグザクに折りたたまれながら横に開くというアコーディオンカーテンのようなドアだった。その片方を有井は開けた。 (続く)
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