(三)

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 それが目に飛び込んできため、有井は再び大声を上げずにはいられなかった。  二度の悲鳴でさすがに藤並がやってきて、その様子を見た。クローゼットに近づき、乳母車に乗っている赤ん坊の頭を掴んだ。  藤並は一体何をするのか! 赤ん坊の頭を掴むとは! 有井はそう思わずにはいられなかった。  しかも藤並はそこから頭を持ち上げて、それを有井の目の前へと突き出した。次の瞬間、頭の下に付いていた胴体部分が、突然音を立てて床に落ちた。 (続く)
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