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「仕事したくない仕事したくない仕事したくない!」
ナリ坊は地団駄を踏む。
「ブラッディナイフ!」
グサリッ!ニコニコの異能がナリ坊に命中。
「か、体が勝手に…助けてチイチイ〜〜〜!」
ナリ坊は一人でに箒を握りニコニコの意のままに操られた。
「いくらなんでもナリ坊が可哀想よ」
と明日香。
「しょうがないわね」
ニコニコは指をパチンとする。
ナリ坊はさっきまでの勢いでバランスを崩し床に滑りダイブした。
「痛いよ痛いよ腰も気持ちも痛いよ…」
ナリ坊は泣き崩れた。
そしてそしてーーー
「ふんニコニコったら人情のかけらも無いんだから…ん?」
激おこぷんぷん丸状態で廊下を歩くナリ坊のロングスカートのポケットから振動が鳴る。
(ひょっとしてチイチイ?)
ナリ坊はたちまち笑顔になる。
ナリ坊の脳内では次のような妄想が展開されていた。
ーーー
「もしもしチイチイ?」
『ナリ坊?ウチ、ナリ坊の声が聞きたくてつい電話かけてしもうたねん』
向こうではナリ坊の声が聞きたくてうるうるしているチイチイが。
「師匠?私もですよ♪長く長くかたらいましよう♪」
ナリ坊は長距離ながらスマホでの会話を楽しんだ。
ーーー
ナリ坊は妄想しながら暗がりの倉庫の中に入りスマホを取り出す。
ここ、スイーツ城では下級のメイド、執事は休憩以外にスマホを取り出して電話したり、弄ったりするのは禁止されているのだ。
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