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取材が終わり、メイクを落としながら違和感を覚えた。
まさか、そんなはずはない。
そう思いながら近づけた鏡をこわごわのぞき込む。
「嘘……でしょ」
鏡を持つ手がわなわなと震える。
私の目もとにはうっすらとシミができていた。
疲れ果ててすぐに眠りたいときでも、きっちり時間をかけてお手入れした。
しっかり日焼け止めも塗り、外に出るときは必ず遮光性の高い日傘に帽子で防御もした。
なのに、シミができるなんて!
「ありえない」
が、何度見てもそこにシミはある。
しかも見ているあいだにも濃くなった気がするくらいだ。
「対策、対策しないと!」
私は美白クリームをそこに、しっかりと塗り込んだ。
しかしそんな私を嘲笑うかのごとく、シミは濃くなっていく。
さらにはその隣に新しいシミも発見してしまった。
「イヤーッ!」
減るどころか増えるシミに私は発狂寸前だった。
これが老化というヤツなのだろうか。
外見だけではなく、食べ物にも気を遣ってきたのに?
本当は食べたいのにジャンクフードも焼き肉も我慢して、身体にいいものばかり摂ってきた私が老化なんてありえない。
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