女優

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「今日のゲストは女優の式島(しきしま)果耶(かや)さんです」 「こんにちは」 インタビューアーの女性に紹介され、にこやかに挨拶を返す。 「いや、ほんとにお美しい。 お肌とかつやっつやで私なんかよりずっとお若いし。 これで四十歳だなんて全然信じられません」 まだ二十代の彼女が、大袈裟に驚いてみせる。 いくらなんでもやりすぎだろうと苦笑いが漏れたが、悪い気はしない。 「ありがとうございます。 たゆまぬ努力のたまものです」 カメラ写りを計算し、僅かに微笑んで謙遜してみせた。 「いやー、私も式島さんみたいになれるように頑張りたいです。 さて、新作映画……」 続いていくインタビューに打ち合わせどおり答えていく。 私、式島果耶は年齢不詳、永遠の二十四歳として売っていた。 もっともすでに実年齢は公開していたが、それがさらに私の神秘性を増していた。 肌や身体の手入れにはこれ以上ないほどお金も力も入れている。 そんじょそこらの小娘に私が負けるはずがない。 私はこれからも老いず衰えず、永遠の美女としてやっていく……はずだった。 「え?」
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