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(……男手が必要そうだったから? でも……)
引っ掛かりがあるときは、考える必要があるときだ。
思考を巡らせて、ザフィーラは頭の底から答えを引き出す。
ここ数日、重要なことをしたり聞いたりするときはホセを通じてだった。しかしなぜ今回来たのはホセでなくイバンなのだろう。
一番最初に思いついたのは、イバンがホセの部下だということだ。ザフィーラへの伝令役をするのが面倒になったホセがイバンを代理に任命した。それはとてもありそうだと思う。
だけど、本当に合っているのだろうか。何か違う可能性はないか。
ここ数日のホセや、周囲のマドレー人たちの言動。そして以前、アシルと話したこと。
それらの中から一つの可能性を導き出し、ザフィーラは下ろした両手を体の前で握り合わせる。強く、強く。
「……聞かせてくれるかしら」
「私がお答えできることでしたら」
「海の向こうの国……マドレーや、その他の国々に関する本は手に入る?」
「姫君がお望みであれば」
「……“あちら側”に気づかれることなく?」
試しに言ってみるとイバンの取り澄ました顔に表情があらわれる。わずかに上がった口の端は、意外とも面白そうだともとれるものだ。
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