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ひゐろが返事をすると、近所の女は軽蔑した眼差しでひゐろを見た。
「……すみません。もう一度、絵葉書を見せてもらえないでしょうか?」
ひゐろは再び、近所の女から絵葉書を受け取った。
そしてひゐろは、しばらく絵葉書を眺めた。
「うちに出入りした男ではありませんが、この男に見覚えがあります。それで数日、絵葉書をお借りすることはできませんか。もし見つかった際には、警察に引き渡します。その時には、懸賞金を折半しましょう」
「……心あたりがあるの?本当に?」
「ええ」
「数日であれば、いいわよ。貸してあげます」
近所の女はうれしそうに、絵葉書を差し出した。
「……ところでこちらの絵葉書は、どこで手に入れたのですか?」
ひゐろは、近所の女にたずねた。
「日本橋の露店よ。書生さんが絵葉書を売っているところ。そこで絵葉書を買ったら、この手配書の絵葉書を封入してくれたの。懸賞金がもらえるからって」
「そうでしたか。ありがとうございます。数日お借りします」
「うちは、ここから二軒先の長屋に住んでいる足立です。心当たりのある男を必ず見つけてね。そして身代金を折半しましょう」
足立は、うれしそうに帰って行った。
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