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小菅監獄に着いたひゐろは、面会の申請を行った。
そして匡を抱えて、面会室で夫が現れるのを待った。
「……お待たせ」
斎藤はそう言うと、明るい笑顔を見せた。
すると、ひゐろの目から涙が溢れ出した。
「匡です。あなたの息子よ」
ひゐろは夫の前に、匡を差し出した。
「……かわいいな。なんてかわいいんだ。こんな愛しい我が子を、ここでは抱きしめられないなんて」
ひゐろはうつむいて、涙を拭った。
「だがね。一つ朗報がある。年内に、僕は出所できるということになった。君とはもちろん、匡と三人で暮らせるんだよ」
―――――完
*この続きは、『大正オートガール 完結編』をご覧ください。
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