目の敵
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あいつは、私たちの存在がいつも気に食わないようだった。 「自分こそが三階で華となるべき存在で、その方が管理人のためでもある」 と、私たちに聞こえるように二階の住人によく話していた。 確かに、あいつの大きくて程良く厚みがある姿は、そこに住むべき素質とはこのことだろう、と周りを納得させるだけの魅力があった。 そして、私たちの引っ越しを決定的にするできごとが起きた。 コロナウィルスの流行だ。
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