目の敵

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そして、先程引っ越しが完了し、無事朝を迎える。 管理人が目覚ました。 顔に妙な違和感を覚え、飛び起きて鏡の前に立つ。 そして、気を失った。 普段、管理人は私たちを「目」、あいつを「口」と呼ぶ。 「目」と「口」が入れ替わった自分の顔を見て、強いショックを受けたようだ。 管理人が倒れた拍子に、「右目」の私に勢いよく切り傷が入った。 これで妹の「左目」共々傷物だ。 でも大丈夫。 ここにいればマスクに隠され、誰からも見えないはずだから。 「目」の敵だった「口」は、鼻の上で満足げに笑みを浮かべている。
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