潮風

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 だんだん川幅が大きくなり、道の幅も車の量も増えてくる。潮風が吹く。もうじき海だ。  颯は必死になって浜に向かった。近くにはスーパーがあった。  海がキラキラ輝いている。ついにあまねちゃんの家の近くに着いたんだ。 (そうだ、あまねちゃんに電話してみよう)  目の前に自転車を駐輪するのにちょうど良い橋があった。  颯は橋の上で自転車からおりてあまねちゃんに電話してみた。  プルルル プルルル 「颯ちゃん!」 「うん!」 「電話ありがとう!」 「手紙、読んだよ」 「ごめんね、だまって引っ越して」 「気にしないで」 「ありがとう!」 「近くまで来ているんだ」 「ほんと!」 「目の前に桜浜スーパーがあって、僕はスーパーの近くの橋の上にいるよ」 「すぐに行くわ」  それから数分後、あまねちゃんが颯のいる橋に姿を現した。 「颯ちゃん」  あまねちゃんは颯をギュウとハグした。 「こんな遠くまで自転車で来てくれたのね」  あまねはにっこり微笑む。 「川沿いを走ったら楽勝だよ」  颯は得意げに話す。  二人は浜辺までゆっくり歩いて行った。  潮風に波の音がする。 「時々遊びに来るから」
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