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同窓会
柴田智己は四人家族でちょっとだけ離れたところに自宅があった。この日は息子の雄二郎が同窓会ということで三人の食事になった。年も明けたばかりなので寒さが身に染みる。娘の明美は食事が終わって一人部屋にとじ込もって何かをしている。きっとスマホでも弄ってるか友達と話でもしているのだろう。食卓に妻の文子と二人でテレビをぼんやり見ていた。
時計を見るとすでにその日は終わっていた。
「雄二郎、遅いわね」
「まだ盛り上がってるんだろう」
「そうよね。今時の子が早く帰って来ることもないでしょうし」
文子は席を立った。つられて智己も席を立つ。
「そろそろ寝るか」
二人はテレビを消し寝室に戻った。
その頃、タクシーは一人の男を下ろし、ユーターンして赤いテールライトをつけながら走っていった。この時、時間は深夜一時頃だった。
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