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発射してから少しばかり時間が経過した。
「将軍様! 衛星はJ国上空を通過中です」
軍官がレーダーを見ながら私に報告した。
「もう、そこまで行ったのか。速いな」
さすが新型。私もレーダーを見てみたが、勢いよく飛んでいる。衰える気配は微塵もない。
新型の飛距離はどんどん伸びていく。
新型がJ国領空をとっくに過ぎ去り、大洋の真ん中あたりに来た頃、軍官が口を開いた。
「将軍様! J国でアラートが発令されたとのことです」
「アラートって、今回の発射についてか?」
「はい」
「今更か! はっはっは! 奴らが慌てふためいている様子が、目に浮かぶわ!」
領空を大幅に過ぎ去った後にアラートを出すJ国の間抜けっぷりに、我々は腹を抱えながら笑った。
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