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1 異世界転移?
私の名前は木崎美優。
引きこもりニート5年目のベテラン。
特技は18時間ぶっ通しで寝る事と、ポテトチップの早食い。
そんな私が今ハマっているゲームが、『戦国武将の生き様』というゲーム。
策略、知略、謀略を駆使して戦に勝ち、国を大きくしていくというゲームだ。
色々な兵法や戦法、陣形などの知識が身につき面白い。
その日、ポテトチップが無くなったので、近くのコンビニに買いに行くと…
運悪くダンプカーに轢かれてしまった。
そして、気づくと天界…ではなく、ベッドの上に…
あら?
死んで無かったとか?
いや、私は死んだはず…
では、ここはどこ?
ふと、下を見下ろすと、金髪の巻き髪がふわふわと垂れ下がっている。
え、誰!?
私はベッドから降りて鏡を見た。
そこには…
フランス人形のような愛らしい娘がいた。
えぇぇぇぇぇ!?
What!?
何が起こったの!?
まさか、知らない内に転移した?
そう考えていると、1人の侍女らしき女性がやって来た。
「まぁ、アンリ様、まだ、うろうろしてらっしゃったのですか?
ホットミルクでも飲まれて落ち着かれてはいかがですか?
すぐに用意しますわ。」
彼女は言った。
どうやら、私はアンリという名前らしい。
それは良いのだが、ここはどこだ?
「アンリ様のお部屋を皇帝陛下が訪れるなんて、お久しぶりですものね。
落ち着いてベッドに入っておられなくては!」
どうやら、今から私の部屋に皇帝陛下が来られるらしい。
まじで?
侍女が去り、しばらくして私は眠ってしまった。
ハッと目を覚ますと、窓辺に人が立っていた。
グレージュのアシンメトリーな髪型は嫌と言うほど似合っているお決まりのイケメンだ。
超イケメンと言っも過言では無いだろう。
私はベッドから起きて、そっと彼のそばに向かった。
ふと、テーブルの上に陣図が広げてあるのが見えた。
「横陣ね…」
私は思わずそう呟いた。
「ほぉ?
アンリ?
外見しか取り柄の無いと思っていたそなたに、この陣図が分かるというのか?」
そう言われてカチンときた。
「もちろんです。
敵は小兵にて横陣、対する我が軍は大軍で魚鱗の陣にて中央突破…
と言ったところでございますか?」
「ほぉ…?
中々のものだ。
どうだ?
我が軍の勝ちは間違えあるまい?」
そう言われて私はふと考え込んだ。
「勝ちの条件が揃いすぎておりませんか…?」
「悪いのか?」
「敵も馬鹿ではありますまい。
小軍で横陣など、あまりにも稚拙。
それに、大軍の魚鱗の陣で相手が来るならば、打ち破られるのは目に見えております。」
私は言った。
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