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7 最後の戦い
数日後、陛下は大勝利を挙げ、凱旋した。
が、私の部屋へのご来訪は無かった。
別に待っている訳でも無いが、何となく寂しいものだ。
そう思って一カ月が経った頃、陛下がやって来た。
「また、戦でございますか!?」
私は久しぶりの戦に身を乗り出してそう言ったが、陛下は真顔のままこう言った。
「そうだ、戦だ。
だが、今回の戦は我が力のみでやってみようと思う。」
「え…?
あの、私が何か勘に触ることでも…?」
私はそう言った。
「いや、そうでは無い。
そなたの戦法はまさに見事であった。
しかし、俺はそなたに恋に落ちてしまったのだ。」
「えーと…
話が見えませぬが…
恋に落ちるとなぜ、私の助言が要らぬと…?」
「俺はそなたが抱きたい。
身も心も俺で征服したいのよ。
その為には、俺はそなたの助言を聞いて勝っていてはだめなのだ。」
真剣な表情で言う陛下。
「そんなの…!
陛下の勝手でございます!
もし、負ければ…
命を落とすやもしれないのですよ!?」
「そうだ、この恋は命がけだ。
戦国の世に相応しいだろう?
俺は命をかけてそなたを抱く。
だから、勝った暁には、俺に抱かれよ。」
皇帝陛下はそれだけ言って去っていった。
♦︎♦︎♦︎
それから、眠れぬ日々が続いた。
戦況を聞き、安堵し、冷や汗し…
しかし、陛下は勝たれた。
今までにない晴れやかな笑顔で凱旋したのだ。
「見たか!
見事撃ち破ってくれたわ!」
「はい!
嬉しゅうございます!」
そして、私たちの熱い夜が更けていくのだった。
happy end…☆
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