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引っ越しをすると彼にはいいことが起きたのだ。そんなに何億円もの大金が手に入るというほどのいいことでもなかったが悪いことではなかった。
彼は引っ越しをして宝くじを引くと必ず一千円が当たるのだ。理由はわからなかったが彼は気分がよかった。引っ越しをするたびに賞金の額は増えたのであった。二度目の引っ越しの時にたからくじをひいたら一千円当たったのだ。三度目の引っ越しの賞金は二千円当たった。
実家から独立して自分の稼いだ給料から住宅の費用など衣食住に関するお金を払っている。公共料金はすべて彼の収入から払っていたのだ。
たつひこは発電機を製造する会社で主に経理の仕事をしていたが、フォークリフトの運転免許資格を取って製造した発電機の部品などを移動させる仕事もしていた。
そこに同居人ができて、それは猫だった。三毛猫なのだ。可愛い子猫だったのであった。
今日も彼の部屋で暴れているのだ。あれはある晴れた春の日に彼の住むアパートの玄関
の前に生まれて間もないと思われる猫がいた。普通子猫は逃げるものだが、その猫は逃げ
なかった。
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