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同居人は引っ越しをすると、猫には縄張りというものはあるからいじめにあってしまう
心配があるので室内で飼っていた。彼が動物病院に子猫を連れて行ったら医師に雄だと言われた。
その子猫の名前は『寛太』にした。
引っ越しをしようとして不動産業者の店に言った帰り道に猫がついてきた。珍しいな、
と彼は少しうれしかったが自宅には座敷猫がいるので「来ちゃだめ」と言って追い返した。
その大人の三毛猫は寛太に似ていた。寛太の親かなと思ったが危ないので家の中に入れる
ことはしなかった。
たつひこは夕食時に寛太に餌をあげた。餌を食べ終えると寛太は甘えるようになった。
ビールを飲んだら寛太も欲しがるのかもしれないと思ったが、そうではなかった。
「寛太」たつひこは声をかけると、寛太は笑っていた。たつひこは猫の気持ちがわかるの
であった。
寛太はたつひこの履いている靴下を前足で引っかいた。
「痛い」たつひこは悲鳴を上げた。
また引っ越しをしてみようかな? たつひこはそんなことを考えていた。彼の三度の引
っ越しは前の住処から二百メートル圏内のアパートの部屋ばかりでおこなった。実家から
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