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彼は寛太に去勢手術はしたほうがいいのか考えていた。今度動物病院に行った時に医師に相談することにした。雄の猫も去勢手術をするものなのかとたつひこは不思議な気分であった。
けいこはたつひこの部屋に来たがらなかったが、恥ずかしいのかな? 可愛いななどと彼は考えていた。
彼はけいこを自分のアパートに呼ぶことにしたが、どう誘えばいいのかわからなかった。こういう時に普通の男はどうやって女を自分の部屋に呼ぶのだろうか? 彼にはわからないのだ。
けいこを部屋に呼んだら寛太はどういう行動をとるだろうか? まさか寛太はけいこにかみついたりしないだろうな、彼はそんなことを考えていた。
案外寛太はけいこに惚れたりしてな、と彼はふざけたことを思っていた。
猫が人に惚れるなんてことはあり得るのだろうか? そんなことを考えていると変だということはわかっていて、彼はそういうことは知っていたのだ。
寛太は一歳になるのだな、と彼は考えた。
仕事の昼休みにたつひこはけいこと一緒に弁当を食べている時に彼は言った。
「オレの部屋には飼い猫がいるのだ」
「猫ちゃん?」
「そうだ」
「名前はあるの?」
「寛太」
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