「     」 下巻

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あの日々は楽しかった。 たった、二日。 なのに、彼の存在は大きすぎた。 彼は僕にいろんな話をしてくれた。それに、二日目は、よく自分のことを話していた。よく、あったばかりの人間にそんな話ができるな。というくらいの、彼の深い部分の話。 思い出して、彼に微笑む。 僕は、君に、救われたんだ。 ありがとう。 一人ぼっちで、あそこで、死のうとしていた僕を救ってくれた。 両親は死んで、育ての親である祖父も死んだ。 もう、何をする気も起きない。 去年まで、祖父が死ぬまで大好きだったピアノを、人生最後の思い出にしようと、古びたピアノをポロン。と、弾く。 それから 僕は、大好きだった曲を弾いたんだ。 そしたら急に君が現れてびっくりしたんだからね。 弾いたらすぐ死ぬつもりだったのに…(笑)。 君が急に現れるもんだからとっさに名前を聞いちゃったよ。 お墓にそなえた花の花弁をすっ、となでる。 それに、君は何気なく言った一言だろうけど、僕は鮮明に覚えてる。 「また今度。」 いつここにいるの?って聞かれて、まさか死ぬつもりだなんて言えなかったから、毎週日曜って嘘ついちゃった。 そしたら君がそういったんだ。 この言葉で僕は、明日も生きとかないと。って思えたんだ。 あー、そういえば、君が次の日も僕の所へ来て、絶望して笑ってしまったことを思い出したよ。だって、日曜にここにいるっていたのに、、月曜日にあっちゃったから…(笑)。 ここへ来ると、無性に孤独感にかられるよ。
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