「     」 下巻

4/7
前へ
/7ページ
次へ
君が崖から落ちて死んでしまった日、僕がいたことに気が付ていたよね。 急いで知り合いの狩猟師を読んで、オオカミを殺してもらおうとしたんだけど、間に合わなかった。 ごめん。 君が崖から落ちてから、君のもとに行ったら、まだ、意識、あったよね。 ごめんね。ほんとに。 君は、「元々死ぬつもりでこの森に来たから気にするな」って言ってたよね。 今にも壊れてしまいそうなほどの、優しい笑顔で。 それから、っ、、、だめだね。後輩が待ってるのに。ここで泣いたら、弱虫だってばれちゃう。ふふっ。君は気が付いていたんだろうね。それ以外も。 それからっ、、君は、 「死ぬなんてもったいない。生きて、好きなことをして。後悔するよっ。」 そういって、もっと、いっぱいの笑顔を浮かべた。 その時の僕の顔といったらひどいものだったんだろうなぁ~。泣きじゃくって、君の声以外、聞こえてこなかった。うるさかっただろうなぁ。ははっ。 もう、あんな顔はしないように、頑張らないとね。 その後の、君の、あの言葉。 ずうっと、僕の心にしまっておくね。大切に。一番、大切なとこに。 それから、あの時の君のような笑顔で墓に微笑み、立ち上がる。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加