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そんな時だった。
幸也が演じる役が感情を爆発させるシーンのところ。
幸也が熱演する中、突然彼の視線が悠斗に向けられ、悠斗は彼の目から熱い視線を感じ、心がざわめいた。
だけど、次の瞬間、幸也は台詞を途中で切り上げてしまった。
「……?」
僕はリハーサルと違う展開に焦る。
当然他のメンバーもそうだ。
「どうしちゃったんだろう」
「セリフ、忘れちゃったのかな?」
そんな風にざわめき始めた。
そんな中、当の本人はしばらく下を向いて目を閉じると、やがて僕に向かって歩み寄り、静かに口を開いた。
「悠斗、僕は…君が好きだ」
「えっ」
驚きと感動で言葉に詰まる悠斗に、幸也は笑顔で続けた。
「ずっと君に惹かれてた。僕の心は君と共にあるんだ。
だから、一緒にいてくれないか?」
悠斗は幸也の言葉に心が震え、喜びで胸がいっぱいになった。
「で、でも、君は僕の告白を断ったじゃないか。
他に好きな人がいるって……」
「……そんなの、嘘に決まってるだろ?」
「えっ」
「そうでもしないと、悠斗の本当に望むものわからないと思ったんだ。
だから、恋愛相談ということにして色々聞き出していたんだよ」
「そうだったんだ……」
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