2人が本棚に入れています
本棚に追加
/31ページ
「悠斗、ありがとう。………でも、ごめん。
僕はやっぱり………好きな人がいるんだ。」
悠斗はその言葉を聞いて、心がざわついた。
そして………それは僕の恋が叶わないのだとはっきり分かった瞬間だった。
「……うぅっ」
机についていた手が震え、やがて力が抜けてすとんと椅子に着地する。
幸也の好きな人は誰なのか結局わからずじまい。
気になると同時に、失恋の痛みが胸を突いた。
それでも、僕は自分の気持ちを抑えきれない。
もう一度相手も見つめ直すと、涙がを流しながら再度思いをぶつけた。
「幸也、僕は本当に君が好きだ。好きなんだ……。
だから、お願いだから……っどうか、もう一度考えてくれないか?」
「……」
幸也は、人差し指を顎に当ててしばらく考え込む。
その表情は辛そうに眉尻が下がっていた。
最初のコメントを投稿しよう!